一笑歳時記

季節のうつろい 一笑の時の流れ

◆2015年9月からは、「今月の一服」でコラムを掲載しております。

2015年04月12日

春疾風(はるはやて)

急に激しく吹き起こる風。春一番もそのひとつ。二番、三番と暖かい春へ導く。

3月14日、北陸新幹線開通前の一週間は、風が吹き荒れ当日の天気予報は、くもり雪。
それが朝から気持ちのいい晴れになり、ほんとうに“新幹線が春をつれてきた。”
一笑の3月のギャラリータイトルは「春疾風」。丸八製茶場にとって春の風は、富山から吹いた。
富山駅に新しいお店をだそう。1年前から社内に企画があがった。
富山。お隣なのに知らないことが多い。それなら!と、今企画にご協力いただくことになった満寿泉の桝田酒造社長を、昨年2月の終わりに訪ねたのだった。
東岩瀬はかつて、北前船で栄えた加賀藩の重要な港町だった。酒蔵の香り、スムシコ(出格子)の街並みは美しく、蕎麦と日本酒は美味しく、暮らしながら制作するガラス・陶芸木彫作家の工房とギャラリー。
景色・食・工芸そして住む人たちの出会いは私たちにとっての“春疾風”春の嵐。
富山でしかできないこと、一笑にも実生にもない新しいことがしたい。風の中でどんどんイメージがふくらんだ。
テーマは富山の「水」、駅という場所の「旅」、そして社長からの「酒茶論」。キーワードがぐるぐるとまわりながら、形成しだす。
― 茶か酒か 水の美しい地で味わう 私が旅をする ―
富山店「syn」が駅ビルにいよいよOPEN。お茶の販売とカウンター8席。茶・酒に北陸を中心とした“味覚”をいくつか。富山・北陸の作家による器・しつらえを。
私の富山を発見する。私の“続いていく旅・時間のひととき”を彩る。

さあ!一笑へ、東岩瀬から届いた春疾風はギャラリーに。
ガラス安田泰三氏・陶芸 釋永岳氏の企画展。
レースガラスは、雪解け水の流れのよう。陶の透き通る白や青は柔らかくなった空の色。
一笑で、synで、丸八製茶場の思う春を感じていただければうれしいです。

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