今月の一服

平成二十七年 口切り抹茶

11月1日(日)~
口切り抹茶

星野村より
ひと夏茶壺で待ちわびた
茶の味をお愉しみ下さい

お菓子付き 1,080円

茶の湯のお正月

初夏に摘んだ葉茶は、大切に茶壺に詰められて、封をされる。そして熟成の頃合いをむかえる11月、茶壺の封を切り、茶を碾(ひ)いて喫する。これを口切りの茶事といい、茶家の正月ともいわれる。

福岡県八女市星野村から届いた口切り抹茶は、自然仕立て。藁などの天然資材で被覆し、丁寧に手摘みされる。昔ながらの手間をかけた製法に今もこだわっている。
一気呵成に点てると、口切り抹茶の特長である独特の香ばしい薫りが広がる。普段の抹茶とはまた違う、毎年この時季だけの特別感。
一笑のスタッフ同士で、「今年の口切り抹茶は…」と、恒例の茶談義がはじまる。曰く「この香ばしさは、炒った豆だ」。「このほっくりとした香りと甘みは、とうもろこしを思わせる」。例えることばにも個性がみえる。

今年、一笑では口切り抹茶をカウンターで点てる。お抹茶は作法があって難しい…と思われている方にも、肩の力を抜いて、五感で口切り抹茶の醍醐味を味わっていただきたい。実際に点ててみると、どうやらカウンター越しにお客様のところまで、薫りが届くようだ。

お抹茶は茶筅と少し大きめの器があれば、意外と簡単に点てられる。作法にとらわれず、普段の一服や、お客様へのおもてなしに。お菓子も好きなもので、自由に試してみるのもひとつ。

非日常の雰囲気を、空気のような日常として感じていただけるよう、私も楽しみながら心をこめて点てたい。

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