2015年06月29日
紫蘇薄荷
この季節になると、楽しみにしているのが煎茶の皿だし。煎茶の特長を最も味わうことができる淹れ方のひとつだ。少なめの水でゆっくりと、今年の煎茶の持ち味を引き出す。3分間のうちに香りが漂い、茶葉が少しずつ開いていく。口に含めば、濃厚な甘味と清涼感がたまらない。
喫茶でも皿だしの煎茶を期間限定で提供しているが、それに合わせている干菓子に、2種類の琥珀糖がある。紫蘇と薄荷風味の砂糖菓子で、金沢の作り手の方が、原材料、製法にこだわり、丁寧に仕上げてくれているものだ。
薄荷はミントと同じ植物で古今東西にあるハーブだが、実は去る6月20日はペパーミントの日。北海道の北見市が薄荷(ハッカ)と20日(はつか)をかけて制定したものである。なぜ6月なのかと問われれば、その季節の北海道の風土に、薄荷を思わせる爽快さがあるからだそうだ。北見市はかつて薄荷の大産地。全盛期には世界の薄荷市場の70%を占めるほどで、今日の北見市の礎になっている。
少し薄荷の事を調べてみた。日本で一般的な薄荷は、ニホンハッカ(ジャパニーズ・ペパーミント)のことで、なんとシソ科ハッカ属。相方の紫蘇琥珀糖と親戚関係ではないか!
季節に寄り添えば、自ずと不思議な出会いや縁が生まれるのだろうか。
今、一笑では、紫蘇薄荷そして煎茶と、個性的な清涼感が、遅めに来た梅雨を彩ってくれている。