一笑歳時記

季節のうつろい 一笑の時の流れ

◆2015年9月からは、「今月の一服」でコラムを掲載しております。

2015年05月15日

牡丹華(ぼたんはなさく)

中国からお経とともに伝わった牡丹。新緑の季節を謳歌するように花びらを優雅にひろげる。

クラシック音楽の祭典「ラ・フォルジュルネ」は金沢のGWのお楽しみのひとつ。
新幹線が開通したことから、東京と金沢のコンサートをはしごするのよ、というお客様もいらっしゃった!
音楽づくしの旅、それもいいな。

一笑はバッハを中心にかけていることもあり、毎年休日に合わせて出かけるようにしている。
今年は「パシオン バロック」。選んだのはカウンターテナー(男性アルト)と古楽アンサンブルの公演。

一笑でかける曲はチェロ、バイオリン、ピアノやチェンバロ。
心を静める、ニュートラルを意識した選曲が中心だったから、バッハの声楽を聞くのははじめてだったし、声の圧倒的な美しさにすっかり魅せられてしまった。
タイトルのとおりパシオン!でも真っ赤な情熱ではなく、むしろ白。眩く心に差し込む光。

さっそくGW真っ只中の一笑で、会場で購入したCDをかけてみた。
いつもに増して賑やかで途切れない人通りに格子戸一枚をへだてた店内は、時間がゆったり流れだした。
お客様の笑い声、会話が曲と静かに溶け合うひととき。

もうひとつお気に入りのCDをかけてみた。
シューベルトの歌曲集。おそらく誰にでも聞き覚えのある曲ばかりだ。
その中の「野ばら」は牡丹や薔薇が芳しい、今の季節によく似合う。
そういえば高校生の頃、ドイツ語「HeidenRoslein」の歌のテストがあって必死に覚えたけど、ゆっくり曲を聞きながら歌詞をながめてみれば、軽やかなメロディなのに昔の忘れられない恋の歌だったなんて。

私の時間もゆるゆると流れだす。

こんな麗かな日には、音楽と、テーブルには野ばらとお茶を。

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